女性救急救命士は体力がきつい?現場で役立つ「身体の使い方」とトレーニングのコツ
「救急救命士になりたいけれど、自分の体力で現場についていけるかな?」「重い資器材を持って階段を上り下りできる自信がない……」
救急医療の最前線を目指す女性にとって、**「体力」**は避けて通れない大きな不安要素ですよね。消防署や病院の救急現場は、確かに出動が重なればハードですし、自分より体格の良い傷病者を搬送する場面も多々あります。
しかし、現役で活躍する女性救命士たちは、単なる筋力だけで勝負しているわけではありません。**効率的な身体の使い方(技術)**と、ポイントを押さえたトレーニングを組み合わせることで、体格差をカバーし、プロフェッショナルとして第一線に立ち続けています。
この記事では、女性救急救命士が現場で直面する体力の壁を乗り越えるための具体的な対策と、長く健康に働き続けるための秘訣を詳しく解説します。
救急現場で「体力がきつい」と感じる瞬間とその実態
救急救命士の業務において、特に体力を消耗するのは以下のような場面です。
高層階からの階段搬送: エレベーターがない、または狭くて担架が入らない場所での手作業による搬送。
重量のある資器材の運搬: 観測モニター、酸素ボンベ、処置バッグなど、総重量20kgを超える装備を抱えての移動。
24時間勤務の疲労蓄積: 深夜・早朝を問わない出動による睡眠不足と、極度の緊張感。
CPR(心肺蘇生法)の継続: 絶え間ない胸骨圧迫は、想像以上に体力を奪います。
確かにこれらは過酷ですが、これらを「根性」だけで乗り切ろうとするのは、怪我の元です。現場で役立つのは、賢く身体を動かす「知恵」なのです。
筋力差をカバーする!現場で役立つ「身体の使い方」
力任せに動くのではなく、物理的な原理を利用することで、少ない力で大きな力を生み出すことができます。
1. ボディメカニクスの徹底活用
介護や医療現場でも使われる「ボディメカニクス」は、救急搬送の基本です。
支持基底面を広く取る: 足を前後に開き、重心を低くすることで安定感を増します。
重心を近づける: 荷物や傷病者を持ち上げる際、自分の身体に密着させることで、腰への負担(トルク)を劇的に軽減できます。
大きな筋群を使う: 腕の力だけで持ち上げず、太ももや臀部(お尻)の大きな筋肉を使って立ち上がります。
2. チーム連携と道具の活用
救急隊は3人1組のチームプレイです。「自分が持たなければ」と抱え込まず、状況に応じて役割を分担します。
階段搬送具の習熟: 階段移動を補助する専用の椅子型担架やベルトを正しく使いこなすことで、腕力を温存できます。
声掛けによるタイミング合わせ: 「せーの」の合図で一斉に動くことで、一人の隊員にかかる瞬間的な負荷を分散させます。
女性救命士に最適なトレーニングメニュー
単にムキムキになる必要はありません。救急現場で求められるのは、**「体幹の強さ」「柔軟性」「持久力」**の3セットです。
体幹(コア)を鍛えて腰痛を予防
重いものを持つ際、体幹がブレると腰を痛めます。プランクやドローインなどのメニューを日常的に取り入れ、天然の「腹帯(コルセット)」を自らの筋肉で作ることが重要です。
股関節と肩甲骨の柔軟性
身体が硬いと可動域が狭まり、無理な姿勢で力を入れがちになります。特に股関節が柔らかければ、低い姿勢からスムーズに立ち上がることができます。毎晩のストレッチを習慣化しましょう。
自重を活かしたスクワット
ダンベルを使わなくても、自分の体重を利用した正しいフォームのスクワットは非常に効果的です。救急現場での「しゃがむ・立つ」という基本動作をスムーズにします。
24時間勤務を乗り切る「自己管理術」
体力維持には、運動と同じくらい「休養」と「栄養」が不可欠です。
仮眠の質を上げる: 出動の合間の仮眠をいかに深く取るか。耳栓やアイマスクの活用、自分に合った枕の使用など、環境を整える女性隊員が増えています。
補食の工夫: 忙しくて食事が摂れない時に備え、プロテインバーやゼリー飲料など、素早くエネルギー補給できるものを常備しておきましょう。
女性特有の体調変化への対応: 月経周期による体調の波を把握し、無理をしない時期と集中する時期を分けるセルフマネジメントも、長く続けるコツです。
キャリアの不安を解消!高待遇・安定を狙うには
女性救急救命士は、その希少性と専門性から、多くの現場で切望されています。
公務員(消防官)としての安定性
消防本部での勤務は地方公務員となるため、産休・育休制度が非常に充実しています。復職後も、日勤帯の救急隊や通信指令室、予防業務など、ライフステージに合わせた柔軟な働き方が相談しやすい環境です。
病院救命士という選択肢
近年、救急外来(ER)で医師や看護師と共に働く「病院救命士」のニーズが急増しています。消防のような24時間勤務ではなく、シフト制での勤務が多いため、生活リズムを整えやすいというメリットがあります。
まとめ:体力不安を自信に変えて、現場の星へ
「体力がないから……」と諦めるのは、非常にもったいないことです。救急現場では、力強さと同じくらい、患者さんの不安に寄り添う優しさや、細やかな気配りが求められています。
身体の使い方を学び、無理のないトレーニングを継続すれば、体力的なハンデは必ず克服できます。むしろ、その努力の過程で身につけた効率的な動きは、将来的に怪我を防ぎ、長く現役で活躍するための宝物になるはずです。
まずは、自分の身体を知ることから始めてみませんか?日々のスクワット10回が、将来誰かの命を救う最初の一歩になるかもしれません。
よくある質問(Q&A)
Q. 現場で男性隊員に迷惑をかけてしまわないか心配です。
A. 救急はチームです。力仕事は得意な人が担い、あなたは傷病者の観察や精神的なケア、細かな処置の準備で貢献すれば良いのです。それぞれの強みを活かすのがプロの現場です。
Q. 出産後に現場復帰している女性はいますか?
A. はい、たくさんいます!多くの消防本部や病院では、育児休業後の復帰をサポートする体制が整っています。一度身につけたスキルは一生ものです。
Q. 体力をつけるためにプロテインは飲んだ方がいい?
A. 筋肉の修復を助けるために有効です。特にトレーニング後や、激しい出動が続いた後の栄養補給として取り入れると、疲労回復が早まります。
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