再婚活の不安を解消!シニア世代が安心して結ぶ「婚活・事実婚の契約書」活用術
「もう一度、誰かと人生を歩みたいけれど、財産や相続のトラブルが心配……」
「シニアの再婚は、自分たちだけでなくお互いの子供も関係してくるから難しい」
50代、60代からの再婚活において、最も大きなハードルとなるのが「お金」と「家族」の問題です。若い頃の結婚とは違い、積み上げてきた資産や、前の家族との繋がりがあるシニア世代にとって、感情だけで突き進むのはリスクが伴います。
そこで今、賢いシニアの間で注目されているのが「婚前契約」や「パートナーシップ合意書」といった、いわゆる**「契約書」**の作成です。
「契約書なんて水臭い」と感じるかもしれませんが、実はこれこそが、お互いと家族を守り、安心して寄り添うための「最大の安心ツール」になります。今回は、シニアの再婚活において契約書がなぜ必要なのか、そして何を記載すべきかを詳しく解説します。
なぜシニアの再婚活に「契約書」が必要なのか?
シニア世代の結婚は、単なる二人の結びつきにとどまりません。契約書を作成することで、以下のようなリスクを事前に回避できます。
1. 相続トラブルを未然に防ぐ
再婚すると、新しい配偶者には法定相続権が発生します。これにより、以前からの子供たちとの間で遺産分割を巡る争いが起きるケースは少なくありません。あらかじめ財産の範囲や相続に関する意思を明文化しておくことで、家族の絆を守ることができます。
2. 生活費の分担を明確にする
「どちらがどのくらい生活費を出すのか」「住居費はどうするのか」といった金銭的なルールは、日々の生活の安定に直結します。年金受給額や貯蓄額が異なる二人だからこそ、事前の取り決めがストレスのない暮らしを作ります。
3. 「事実婚」という選択肢を支える
入籍による苗字の変更や戸籍の書き換えを望まない場合、事実婚を選ぶシニアも多いです。しかし、事実婚は公的な証明が難しいため、契約書を作成しておくことで、医療同意や公正証書の作成時に「家族としての権利」を主張しやすくなります。
安心のために記載しておくべき「3つの柱」
契約書を作成する際、具体的にどのような内容を盛り込むべきかを見ていきましょう。
柱1:生活基盤に関するルール
居住地: どちらの家に住むのか、あるいは新しく借りるのか。
生活費: 共用の口座を作るのか、項目ごとに分担を決めるのか。
介護: 将来、どちらかに介護が必要になった際の役割分担や、施設入所の考え方。
柱2:財産と相続に関するルール
特有財産: 結婚前から持っている預貯金や不動産は、それぞれ個人のものであることを確認。
相続の意思: 万が一の際、今の財産を誰に(子供か、新しい配偶者か)どの程度残したいのか。
遺言書の作成: 契約書とセットで、法的に効力のある公正証書遺言を準備する旨の約束。
柱3:関係の解消に関するルール
考えたくないことですが、もし性格の不一致などで別れることになった場合の「財産分与」についても触れておくと、将来の不安が解消されます。これが決まっているからこそ、今を全力で大切にできるという側面もあります。
「契約書」を切り出すタイミングと伝え方
「あなたを疑っているわけではない」という姿勢を伝えることが、良好な関係を築くコツです。
タイミング: 真剣交際に入り、将来の具体的な話を始めた頃がベストです。
伝え方の例: 「あなたとずっと仲良く過ごしたいからこそ、子供たちにも安心して応援してもらえるように、ルールを決めておきませんか?」と、お互いと家族のためであることを強調しましょう。
専門家(行政書士・公証役場)の力を借りるメリット
個人で作るメモ書きでも一定の意味はありますが、より強力な安心を得るなら「公正証書」にすることをおすすめします。
法的効力が強い: 公証役場で作成される公文書となり、改ざんや紛失の心配がありません。
子供たちへの説得力: 公的な書面があることで、反対していた子供たちも「これなら安心だ」と納得しやすくなります。
相談しながら作れる: 第三者である専門家を挟むことで、自分たちでは気づかなかったリスクへの対策をアドバイスしてもらえます。
まとめ:契約書は「深い思いやり」の形
シニアの再婚活における契約書は、相手を縛るためのものではなく、「自由で安心な二人だけの時間」を確保するためのラブレターのようなものです。
お金や相続の不安というノイズを先に取り除いておくことで、純粋に相手との時間を楽しみ、心穏やかな日々を送ることができるようになります。
「再婚したいけれど、周りの目が気になる」「将来のお金が不安」という方こそ、この安心ツールを活用してみてください。しっかりとした土台の上に築かれた関係は、何事にも代えがたい人生の宝物になるはずです。
まずは、「私たちの理想の暮らし」について、ノートに書き出すことから始めてみませんか?そのメモが、お二人を守る大切な契約書の第一歩になります。