「南国移住」の夢、その前に！グアム移住のリアルなデメリットと老後・仕事の現実
透き通るようなエメラルドグリーンの海、年中暖かな気候、ゆったりとした時間の流れ…。「いつかグアムで暮らしてみたい！」「老後は南国で優雅に過ごしたいな」そんな夢を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本から近く、日本人観光客も多いため、移住先の候補としてグアムを考える人は少なくありません。
しかし、海外移住には、光の部分だけでなく、少なからず「影」の部分も存在します。憧れだけで飛び込んでしまうと、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。
この記事では、グアム移住を真剣に考えているあなたへ、ガイドブックには載っていないリアルなデメリットや、老後の移住、仕事の現実について、具体的に深掘りして解説していきます。夢を叶えるために、まずは現実を知ることから始めましょう。
グアム移住の「憧れ」の裏側にあるデメリット
グアムの魅力は数えきれませんが、実際に暮らすとなると、いくつか不便に感じる点や、想定外の壁にぶつかることがあります。
1. 物価が高い！特に「食料品」と「生活必需品」
観光地としてのグアムは、免税品やブランド品が安く手に入るイメージがあるかもしれません。しかし、実際に移住して生活するとなると、日本の倍近くの物価に驚くかもしれません。特に、食料品の多くを輸入に頼っているため、野菜、果物、乳製品などは高価です。
- 家賃: 日本の都市部と同等、あるいはそれ以上になることも。
- ガソリン代: 日本よりは安いですが、車両維持費はかかります。
- 電気代: エアコンを使うことが多いため、夏場（グアムは年中夏ですが）は高額になりがちです。
日々の生活費が高くつくため、収入源をしっかりと確保しておく必要があります。
2. 医療・インフラが日本ほど充実していない
日本は世界トップクラスの医療水準とインフラを誇りますが、グアムではそのレベルを期待するのは難しいでしょう。
- 医療:
- 医療費が高額: 国民皆保険制度がないため、医療費は全額自己負担。盲腸の手術で100万円以上かかるケースも。高額な海外旅行保険や現地の医療保険への加入は必須です。
- 専門医が少ない: 高度な治療が必要な場合は、ハワイや本土、または日本へ戻ることを検討する必要があります。
- インフラ:
- 停電が多い: 特に雨季には頻繁に停電が発生します。自家用発電機を持つ家庭も少なくありません。
- 通信環境: 日本に比べるとインターネット回線が不安定だったり、速度が遅かったりすることがあります。
3. 娯楽が少なく、退屈に感じる可能性も
観光で訪れる分には十分楽しめますが、長期滞在となると、娯楽の少なさに物足りなさを感じるかもしれません。
- ショッピング: 日本のような多様な選択肢はありません。
- 文化施設: 美術館や劇場といった文化施設は限られています。
- レジャー: マリンスポーツがメインとなり、それ以外の趣味を見つけるのが難しいと感じる人もいます。
人によっては、刺激が少なく、退屈に感じてしまう可能性があります。
4. 日本食が恋しくなる！食文化の違い
グアムにも日本食レストランはありますが、価格は高めです。また、新鮮な日本の食材を手に入れるのは難しく、日本のスーパーのような豊富な品揃えは期待できません。長期滞在するうちに、慣れ親しんだ日本食が恋しくなることは避けられないでしょう。
5. 日本との人間関係の変化、そして言葉の壁
- 友人との距離: 日本の友人や家族との物理的な距離が遠くなるため、気軽に会えなくなり、孤独を感じることもあります。
- 文化・習慣の違い: アメリカ文化とチャモロ文化が融合したグアムの習慣に慣れる必要があります。時間に対する感覚がルーズだったり、日本のようなきめ細やかなサービスを期待できなかったりすることも。
- 言葉の壁: 英語が公用語ですが、日本人が多いとはいえ、日常会話レベルの英語力は必須です。医療機関や公的手続きなど、専門的な場面ではさらに高い語学力が求められます。
グアムでの「老後の移住」は本当に可能なのか？
「老後はグアムでゆっくり過ごしたい」という夢は素敵ですが、現実的にはいくつかのハードルがあります。
- 永住権の取得が非常に難しい: グアムはアメリカの準州であり、永住権（グリーンカード）の取得は非常に困難です。一般的には、家族移民（アメリカ市民の近親者）か、投資移民（高額な投資が必要）などの限られた道しかありません。観光ビザやビジネスビザでの長期滞在には限界があります。
- 医療費の問題: 前述の通り、医療費は高額です。老後になると医療機関にかかる機会も増えるため、経済的な負担は大きくなります。日本の健康保険は海外で使えないため、万全の医療保険に加入しておくことが不可欠です。
- 日本の年金と税金: 日本の年金を受け取りながらグアムで暮らすことは可能ですが、税金の取り扱いや為替レートの変動も考慮する必要があります。
現実的には、老後の永住は非常にハードルが高いため、まずは短期〜中期滞在で、お試しで住んでみる「ロングステイ」から始めるのが賢明かもしれません。
グアムでの「仕事」の現実とビザの問題
グアムで働くことを考えている場合、仕事探しと就労ビザの壁は非常に高いです。
- 就労ビザの取得難易度: グアムで働くためには、就労ビザ（H-1Bビザなど）が必要ですが、これは非常に取得が難しいとされています。米国の企業が「米国人でその職務をこなせる人がいない」と証明し、政府の承認を得る必要があります。
- 仕事の探し方: 日本人向けの求人は観光業（ホテル、旅行代理店、免税店など）が中心となりますが、競争率も高いです。また、給与水準も日本より低いことが多いです。
- 語学力: 多くの仕事で高い英語力が求められます。特に接客業では、日本語と英語の両方ができることが強みになります。
- 起業: 自分でビジネスを始めるという選択肢もありますが、アメリカの法律や税金、文化に精通している必要があります。永住権なしで起業する場合、投資ビザ（E-2ビザなど）の取得が必要となり、これも条件が厳しいです。
まとめ：夢のグアム移住、現実的な準備を！
グアムは、美しい自然と温かい人々が魅力的な場所です。しかし、移住となると、観光では見えない様々なデメリットや現実的な問題に直面します。
特に、物価の高さ、医療・インフラ、娯楽の少なさ、そして永住権や就労ビザの取得難易度は、事前にしっかりと理解しておくべきポイントです。
夢を夢で終わらせないためにも、まずは短期滞在で「お試し移住」をしてみる、情報収集を徹底する、そして専門家（移住コンサルタントや国際弁護士など）に相談するなど、現実的な準備を着実に進めることを強くおすすめします。
憧れの南国生活が、本当にあなたに合ったライフスタイルなのか、じっくり考えてみましょう。