なるほど!国際捕鯨委員会(IWC)ってどんな組織?やさしく解説!
「国際捕鯨委員会」、略してIWC。クジラに関するニュースで耳にすることも多いこの組織、いったいどんな役割を持っているのでしょうか?実は、クジラの仲間たちと私たちの未来を守るために、とっても大切な働きをしているんです。やさしく、その役割を覗いてみましょう。
IWCって何をする組織なの?クジラ資源を守る国際的な枠組み
IWCは、正式名称を「国際捕鯨委員会」と言います。これは「国際捕鯨取締条約」というルールに基づいて設立された国際的な組織で、クジラの資源をきちんと管理していくことを主な目的としています。
もともとは、捕鯨が盛んだった時代に、クジラの資源が減りすぎないようにルールを設け、持続可能な利用を目指すために作られました。捕鯨に関する科学的な調査を行ったり、捕獲できるクジラの数を決めたり、保護すべきクジラの種類を議論したりと、その活動は多岐にわたります。
IWCが対象とするクジラの仲間たち
IWCの管理対象となっているのは、主に「大型のクジラ」と呼ばれる種類です。具体的には13種類の大型クジラを対象としていますが、その後の科学的な研究で細かく分類された結果、実質的には17種類のクジラがIWCの管理の範囲内にあるとされています。
これらのクジラが健全な状態で生きていけるよう、IWCは世界中の専門家や関係国と協力しながら、様々な情報を集め、より良い管理方法を模索しています。
日本とIWCの関係は?協力しながら進む調査
日本は2019年にIWCから脱退しましたが、だからといって国際協力が途切れたわけではありません。現在も、IWCと協力して「IWC-POWER」という北太平洋でのクジラ調査を行っています。これは、かつて南極海で行われていた「IWC/SOWER」という成功した調査のモデルを参考に、北太平洋のクジラの生態や資源量を把握するために実施されている大切な活動です。
このような科学的な調査を通じて、クジラたちの正確な状況を把握し、国際社会と情報を共有することは、持続可能な海の未来を築く上で欠かせません。
クジラとの共存を目指して
IWCの活動は、ただ捕鯨の数を制限するだけでなく、クジラという壮大な生き物と人間がどうすれば共に地球で暮らしていけるのか、という大きなテーマに向き合っています。
科学的な知見に基づいた賢い管理、そして国際社会が手を取り合うことで、これからもクジラたちが豊かな海で暮らし、その命を次世代へとつないでいけるよう、努力が続けられています。私たちも、海の大きな隣人であるクジラたちに思いを馳せ、彼らが安心して暮らせる環境を大切にしていきたいですね。