大切な海の恵みを守る! 「密漁を許さない」水産庁の取り組みと私たちにできること
美しい日本の海には、魚や貝、海藻といった豊かな海の恵みがたくさんあります。これらの恵みは、私たちの食卓を豊かにし、漁業という大切な産業を支えています。漁師さんたちは、国のルールを守りながら、日々海に出て漁を行っています。
しかし、残念ながら、これらの貴重な水産資源を、国の許可なく、あるいは決められたルールを破って獲る「密漁(みつりょう)」が後を絶ちません。密漁は、海の恵みを減らし、真面目にルールを守る漁業者に損害を与える、許されない行為です。
水産庁は、この密漁と戦うため、様々な対策を行っています。この記事では、密漁がなぜ大きな問題なのか、水産庁がどのような取り組みをしているのか、そして私たち市民にできることは何かを分かりやすくご紹介します!
「密漁」はなぜ許されないの? その大きな問題点
密漁は、単に「ルールを破って魚を獲る」というだけでなく、以下のような深刻な問題を引き起こします。
- 水産資源の減少: 決められた量や期間以外で無秩序に獲ることで、魚や貝の数が減ってしまい、将来にわたって海の恵みを持続的に利用できなくなります。
- 真面目な漁業者への打撃: 厳しいルールを守って漁をしている漁師さんたちの努力を無にする行為です。収入が減ったり、漁業を続けられなくなったりすることにも繋がります。
- 安全・衛生上の問題: どのように獲られたか不明な密漁品は、適切な温度管理や衛生管理がされていない可能性があり、安全性が保証されません。
- 組織的な犯罪との繋がり: 近年、密漁が暴力団などの組織的な犯罪グループの資金源となっているケースも報告されています。
特に、アワビやナマコ、ウニといった市場価値の高いものが密漁のターゲットになりやすい傾向があります。これらの貴重な資源が、私たちの目の届かないところで奪われているのです。
密漁を許さない! 水産庁の取り組み
水産庁は、密漁から大切な水産資源と漁業を守るため、強力な対策を推進しています。
- 漁業取締官による取締り: 水産庁には「漁業取締官(ぎょぎょうとりしまりかん)」という、密漁を取り締まる専門の職員がいます。彼らは「漁業取締船」に乗って海をパトロールし、不審な船や行為がないか監視しています。必要に応じて立入検査や逮捕も行います。
- 関係機関との連携: 海上保安庁や警察などの関係機関と緊密に連携し、広範囲で効果的な取締りを行っています。
- 法執行の強化: 密漁に対する罰則は年々厳しくなっており、悪質・巧妙な密漁者に対しては、懲役や高額な罰金といった厳しい刑罰が科されます。特に組織的な密漁に対しては、より厳しく対処しています。
- 国民への啓発・協力依頼: 密漁は犯罪であるということを広く知らせ、国民一人ひとりに「密漁を許さない」という意識を持ってもらうための啓発活動を行っています。
漁業取締官は、危険を伴う海上での取締りなど、私たちの海の安全と資源を守るために日々活動しています。
私たち市民にできること
密漁対策は、水産庁や関係機関だけの問題ではありません。私たち一人ひとりが関心を持つこと、そして行動することが、密漁をなくすことに繋がります。
- 「密漁は犯罪」という認識を持つ: 安易な気持ちでルールを破って水産動植物を獲る行為(例:遊漁でのルール違反、サザエやアワビなどを許可なく勝手に獲るなど)も、密漁に当たる可能性があります。海のルールを確認し、必ず守りましょう。
- 不審な行為を見かけたら通報!: 夜間に漁港や海岸で不審なダイバーや船を見かけた、相場より極端に安い魚介類を怪しいルートで販売しているのを見かけたなど、密漁が疑われる情報があれば、勇気を出して水産庁や海上保安庁、警察に連絡・通報しましょう。あなたの情報が、密漁の検挙に繋がる可能性があります。
- 「獲る責任、食べる責任」を考える: どこで、どのように獲られたか分からない魚介類を購入しないように心がけることも、密漁で獲られた魚介類の流通を断つことになり、間接的に密漁対策に繋がります。
まとめ: 海の恵みを守るために、みんなで「密漁を許さない」
密漁は、大切な水産資源を枯渇させ、真面目な水産業者を苦しめ、さらには組織犯罪にも繋がる、絶対にあってはならない行為です。
水産庁は、漁業取締官を中心とした強力な取締りや、関係機関との連携、そして法執行の強化によって、この密漁と戦っています。
そして、密漁を根絶するためには、私たち国民一人ひとりの協力が不可欠です。「密漁は犯罪である」という認識を持ち、海のルールを守り、そして不審な行為を見かけたら勇気を出して通報すること。これらの行動が、日本の豊かな海と、そこで育まれる海の恵みを未来に繋ぐ力になります。
みんなで「密漁を許さない」という強い意思を持って、大切な海の恵みを守っていきましょう!