漁業権ってなぁに? みんなで守る海の宝物!
釣り好きさんなら一度は耳にしたことがあるかもしれない「漁業権」という言葉。なんだか難しそう…と思う方もいるかもしれませんね。でも実は、私たちが海や川で釣りを楽しむため、そして日本の豊かな水産資源を守るために、とっても大切な役割を担っているんです。
今回は、この「漁業権」について、難しく考えずに、まるで絵本を読むみたいに楽しく、そして分かりやすくご紹介していきます!
漁業権って、海の「おかわり券」みたいなもの?
簡単に言うと、漁業権とは「特定の海や川で、特定の漁法を使って、決められた期間だけ魚を獲っていいですよ」という、特別な許可のことなんです。例えるなら、お店の「おかわり券」や「VIPパス」みたいなものですね。これを持っている人だけが、その場所で、その方法で、魚を獲ることを許されているんです。
どうしてそんな「おかわり券」が必要なの?
もし、誰でも好きなだけ、好きな場所で魚を獲っていいとしたら、どうなるでしょうか?
- すぐに魚がいなくなっちゃうかもしれません。
- みんなが同じ場所で獲ろうとして、ケンカになっちゃうかもしれません。
- 獲りすぎちゃって、魚が育つ時間がなくなってしまうかもしれません。
そうならないために、海の資源を大切に守りながら、みんなが安心して漁業を続けられるように、この「漁業権」という仕組みがあるんです。これによって、計画的に魚を獲り、資源を未来へつないでいくことができるんですね。
漁業権にはどんな種類があるの?
漁業権には、大きく分けて3つの種類があります。それぞれ、役割が少しずつ違うんですよ。
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定置漁業権(ていちぎょぎょうけん)
これは、海の中に大きな網を固定して魚を獲る「定置網漁」のための権利です。一度仕掛けたら動かせないので、この場所は私たちが使いますよ、という権利が必要になります。
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区画漁業権(くかくぎょぎょうけん)
特定の海や湖の「区画」を決めて、そこで魚を育てたり、貝を採ったりする漁業のための権利です。例えば、アワビやウニ、カキなどの養殖業がこれにあたります。まるで海の畑や牧場みたいなものですね。
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共同漁業権(きょうどうぎょぎょうけん)
これは、漁師さんが協力し合って、共同で利用する漁業のための権利です。例えば、わかめや昆布などの海藻を採ったり、アサリやハマグリなどの貝を採ったり、たこつぼ漁をしたりする場合など、たくさんの漁師さんが一緒に行う漁業がこれに当たります。私たちが潮干狩りなどで利用する場所も、この共同漁業権が設定されていることが多いんですよ。
漁業権ってどうやって決まるの?
漁業権は、勝手に決まるわけではありません。都道府県が、海の状況や漁師さんの意見を聞きながら、「海区漁場計画」や「内水面漁場計画」という計画を立てて、どの場所で、誰に、どんな漁業権を与えるかを決めます。この計画は、だいたい5年ごとに見直されるんですよ。
まるで、みんなで話し合って「この場所はこういう風に使おうね!」と決める会議みたいなものです。国(農林水産省)も、都道府県がスムーズに計画を立てられるように、色々なアドバイスをしています。
私たち釣り人ができること
漁業権は、漁師さんたちが生活していくための大切な権利であり、日本の水産資源を守るための仕組みでもあります。私たち一般の釣り人も、この漁業権を理解し、尊重することがとっても大切です。
- 漁業権が設定されている場所では、勝手に魚を獲らない! 「釣り禁止」の看板がある場所や、養殖のいかだが浮いている場所、定置網が仕掛けられている場所など、漁業権が設定されているエリアでは、釣りをしたり、魚介類を採ったりすることはできません。
- 地域のルールやマナーを守る! 潮干狩りや磯遊びなどで、共同漁業権が設定されている場所を利用する際は、地域ごとに決められたルール(入漁料、採っていい量、時間帯など)をしっかり守りましょう。
- 資源を大切にする! 必要以上に魚を獲らない、小さい魚はリリースする、ゴミは持ち帰るなど、未来に豊かな海を残すための行動を心がけましょう。
まとめ
「漁業権」は、一見難しそうに聞こえますが、日本の海の恵みをみんなで大切に守っていくための、大切な仕組みです。漁師さんの生活を守り、そして私たちの子どもたちにも、豊かな海と美味しい魚を残していくために、この漁業権の役割を理解し、尊重することが、私たち一人ひとりにできることなんです。
さあ、これからも日本の美しい海と、そこで育まれる豊かな水産資源を、みんなで大切にしていきましょうね!