アメリカの永住権(グリーンカード)のデメリット
1. アメリカの税制に縛られる
アメリカの永住権を持っている場合、アメリカ政府は全世界の収入に対して税金を課すことができます。これはアメリカ国籍を持っていない場合でも適用されます。
- 全世界課税:アメリカは世界中で稼いだお金に対して課税する唯一の国の一つです。たとえアメリカ国外で収入を得ていたとしても、その収入に対して税金を払わなければなりません。
- 二重課税のリスク:他国に住んでいる場合、その国でも税金を支払うことになりますが、アメリカとの間で税金が二重に課されるリスクが存在します。ただし、一定の控除や税額控除を通じて二重課税を回避することができる場合もありますが、複雑な税制により税務申告に手間がかかります。
2. 市民権を持つ場合の選択肢制限
グリーンカードを保持している場合、もし市民権を取得したいと考えると、いくつかの選択肢が制限されることがあります。特に、他国の市民権を保持している場合には注意が必要です。
- 二重国籍の問題:多くの国は二重国籍を認めていません。グリーンカードを持っている人がアメリカ市民権を取得する際に、元々の国籍を放棄する必要がある場合もあります。特に他国での市民権を保持している場合、二重国籍の問題が発生します。
- 市民権放棄のリスク:アメリカ市民権を放棄すると、アメリカの選挙権を失い、また他の市民権に関する権利も失うことになります。
3. 滞在条件と管理義務
グリーンカード保持者は、アメリカに長期間滞在することが求められます。もしアメリカを長期間離れると、永住権を失う可能性があるため、注意が必要です。
- アメリカ滞在条件:グリーンカードを持っている場合、アメリカでの生活を主たるものとし、年々の滞在日数が重要視されます。例えば、長期間アメリカを離れると、永住権を保持する権利を失うことがあります。
- 再入国許可の手続き:アメリカを長期間離れる場合、再入国許可を申請する必要があり、その手続きが面倒で時間がかかることもあります。
4. グリーンカード保持者としての制約
アメリカでの永住権を持っていること自体にはいくつかの制約があります。特に仕事や転職に関しては、いくつかの制限がかかります。
- 職業選択の自由の制限:アメリカの永住権を保持していても、アメリカ市民と比べて一部の職業や業種で制限を受けることがあります。例えば、政府関連の仕事に応募することができなかったり、特定のセキュリティクリアランスが求められる職業に就けなかったりする場合があります。
- 移住先の州での制限:一部の州や地域によっては、特定の産業や事業に対して永住権保持者に対して特別な制限を設けていることがあります。
5. 永住権の更新手続きと費用
グリーンカードの有効期限は通常10年で、その後は更新手続きを行う必要があります。更新手続きには時間や費用がかかることがあります。
- 更新手続きの負担:グリーンカードの更新手続きには、再申請や書類提出、指紋採取、面接などが必要です。この手続きには数ヶ月かかることもあります。
- 更新費用:グリーンカード更新の際に手数料が発生するため、長期的にみるとその費用も負担になります。
6. 永住権を失うリスク
グリーンカード保持者は、一定の条件を満たさない場合、永住権を失う可能性があります。
- 犯罪歴:重大な犯罪歴があると、永住権を剥奪される可能性があります。例えば、薬物犯罪や暴力犯罪などがあれば、アメリカにおける永住権が取り消されることがあります。
- 無許可での長期海外滞在:アメリカを長期間離れると、永住権を失う危険性が高まります。
まとめ
アメリカのグリーンカード(永住権)は、アメリカでの長期的な生活を可能にする重要なステータスですが、税制、滞在条件、職業制限などのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、慎重に計画を立てた上で永住権を取得することが大切です。